列車の遅れ前

日本の鉄道は、非常に正確に運行されていると言われる。いまだかつて海外に出かけたことがないが、そのようだ。

でも、近頃は、相互乗り入れが増えたため、1つの遅れが他の路線に影響することが目立つ。

たとえば、宇都宮線で人身事故が発生したら、乗り入れている東海道線湘南新宿ライン横須賀線にも遅れが波及する。

東武スカイツリーラインの北千住付近で事故があったら、東京メトロ日比谷線半蔵門線にも遅れが広がってしまう。

私は列車に乗りまくってきた乗り鉄だから、列車の遅れも、多数経験している。

なかでも、3時間以上の遅れが、この10年で4回ある。今回は、3時間以上遅れてしまった時の話。

1台風でのぞみがストップ〜5時間半遅れ

名古屋のイベントに出かけた。

前の年は仕事で1時間半で5万円という破格の手当てをいただいた。この年は、仕事ではなかったが、勉強にもなるため、また出かけて行った。午後3時ごろののぞみで東京に戻り、夜は別の仕事が控えている。

ところが、当日は、台風が接近していた。

徒歩10分ほどの場所で開催される別のイベントは、初めから延期が決定していた。

こちらのイベントは、できるかぎり開催する方向で、下の張り紙のような条件付き開催となった。

台風が接近して三重県北中部に警報が出れば、名古屋にも警報が出るのは時間の問題だ。だから、三重県北中部に警報が発令されれは中止という方針だった。

私は、警報が出るのは午後2時ごろと読んでいたが、何と1140に警報が出てしまった。

私は新幹線が止まると困るから、速攻で帰るべきなのだが、この時は判断を誤った。

列車を変更できない割引切符日帰り1名古屋を利用していた。

決められたのぞみが2時間半遅れても、東京の仕事には間に合うから、楽観的な気分で、予定していた午後1時台ののぞみに乗った。

しかし、台風のため、速度制限が出された。2倍の時間がかかっても仕事には遅れないから、大丈夫と自分に言い聞かせていたが、浜松駅手前でついに停止した。

ご存じの方も多いだろうが、浜松駅の手前は、激しいカーブがある。ここで停止したわけだから、テーブルに置かれたペットボトルが、あちこちで滑り落ちる始末。

紙コップの滑りやすさを実験した話はこちら

2無料グリーン車の〜4時間遅れ

今から10年前の2007年1月2月に、私は週2〜3回、水戸まで出かけて仕事をしていた。

往きは特急フレッシュひたち、帰りはたいてい普通列車で帰る日だった。

グリーン車連結の常磐線普通列車

帰りの普通列車が、当時は非常にラッキーだった。この年の3月18日から、グリーン車が連結されたE531系が導入されるのだが、それまでの約2カ月は、グリーン料金なしで乗ることができたのである。乗り心地を実感してもらうためのお試し期間とも言える。車内販売は無いものの、定期券だけで、リクライニングシートに乗れるとあって、上野駅では長蛇の列ができていた。

水戸からの夜の上りなら、グリーン車無料の大盤振る舞いでも、窓際に座れば、隣の通路側には他の客はまず座らない状況だった。

ある日、特急料金グリーン料金を払わずに浮いたお金で、水戸駅の駅ビルで弁当とビールを購入。無料グリーン車に座って、水戸駅からの発車を待っていた。

すると、突然こんなアナウンスが。

ただいま踏切事故が発生しました。上り方面の列車の運転は見合わせます。運転再開の見通しは立っていません

1時間経過。

踏切事故で自動車が大破したようだから、1時間で運転再開するわけがない。想定の範囲内で、余裕の表情だった。

2時間経過。

もうそろそろ。通れるようになるはずだ。途中駅まで進んだような記憶があるが、ビールチューハイ3本開けていて、記憶があいまいだ。

3時間経過。

もう終電の時間だ。心細くなる。快適なシートだから、腰は痛くならないが。

4時間経過。

ようやく運転再開となった。車掌が申し訳なさそうに、お客様、どちらまでですかと尋ねてきた。歯切れの悪い聞き方だった。ぐあんずるに、運転指令は我孫子で運行を打ち切りたい、でも困る客が多かったら対応する、ということのようだ。

私は、夜中の我孫子駅で放り出されたら困る、と話した。ネットカフェもないし、24時間営業のファミレスも知らない。柏か松戸なら時間つぶせる場所もある。

その結果、あっさりと上野行になった。深夜の1時半を過ぎていたが、タクシーで帰った。

車内販売がないし、アテンダントさんも乗務していなかったが、乗り鉄にとって、料金不要のグリーン車に、長時間乗ることができたわけだから、結構楽しかったという想い出になっている。

仕事が急に休みになり、5月2829日と乗り鉄に飛べることになりました。

直前でも、結構キャンセル出るものですね。